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多読
Hassan and Lulu: Book One
そしてページをめくる手が止まらなくなる良書に、
また巡り会えました。(^o^)
あらすじ(ネタバレあり)
舞台は2003年のイラク、バグダッド。
アメリカを主体とする有志連合によるイラク侵攻で、
バグダッドは砲弾の雨。
その結果、
ハッサン(お兄ちゃん、17歳)と
ルル(妹、8歳)の父親は
勤務先の大学から帰ってきませんでした。
空爆によって、
電気や電話などのライフラインは寸断されてしまい、
連絡の取りようがありません。
母親のいない(数年前にガンで他界)ハッサンは
思慮深い父親から、
もしアメリカの攻撃によって自分(父)が帰って来なくても、
決して探しに来てはいけないよ、
という手紙を託されていました。
それにもかかわらず、
妹のルルと父親を探し出すという決意をして、
おじさん夫婦(父親の兄弟)のもとをバイクで目指します。
それはまさに冒険と言える、
危険きわまりない旅でした。
行く先々で目にする悲惨な出来事。
ハラハラドキドキ。
果たしてハッサンとルルは父親に会うことができるのでしょうか?
この作品は全三巻のようです。
なので、結論は読んでからのお楽しみ(^o^)
この本は反米プロパガンダ本でもなく、
だからといってフセイン政権を擁護するような描写もありません。
どちらの勢力にも加担することなく、
ただ生々しく「無辜の市民」が受ける悲惨さを、
簡便ながら見事に描いています。
しかも、妹のルルの
八歳とは思えないくらいの強さや冷静さ、
そして楽観主義は、
兄のハッサンはもとより、
この先の展開がどうなるのか不安なわたしたち読者にとっても、
一服の清涼剤になります。
そんな中で、
ハッサンとルルと関わるおじさん夫婦や、
ハッサンが父親を探す過程で出会う、
父親と関係が深い人たちがみんないい人なのが、
本当に本当に救いです。
ε- (´∇`;)>ホッ
グレーテッド・リーダー(GR)なので俗語(スラング)もなく、
絶妙なストーリー展開で、どんどん先に読み進めることができます。
と言うか、先の展開が気になってページをめくる手が止まらないといった方が正解です。(^o^)
とりわけ最近
レベルド・リーダー(LR)のスラングに苦しんでいたわたしにとっては、
快感と言えるほどの読み応えでしたヨ。
YLは2点台後半から3点くらいでしょうか?
総文字数15,390