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多読
Alex The Cat
今日もKindle Unlimitedから選んだ一冊です。
あらすじ(ネタバレあり)
いわゆる野良猫が主人公です。
お母さんのお腹の中から
生まれてくる直前から物語が始まります。
なんの先入観もなく読み始めたので、
最初はほのぼの系のお話かと思いました。
実際、出産にはお父さん猫も立ち会っていて、
妻子のためにせっせとエサをどこかで見つけてきては運ぶ、
温かい家庭なのです。
ところが、秋も深まり冬が近づくにつれて、
野良猫一家の環境は激変します。
で、いろいろあって主人公の猫は
生後二ヶ月にしてひとりぼっちになってしまいます。
彼はどう生き抜いていくのか?
彼が経験するあらゆる出来事が、
その後の人生ならぬ「猫生」にどう影響していくのか?
後は読んでみてのお楽しみ。
作中、悪い人間が一部出てきますが、
今作のテーマは野良猫対人間ではありません。
人間、他の猫、ネズミ、犬など、
主人公を取り巻く「他者」との関係がリアルに描写されています。
そのときどきの経験が、
その後の彼の人生(猫生)において直面する
あらゆる選択の根拠になっているのです。
それを目の当たりにするにつけ、
幼少期の経験、生い立ちが
後々の人格(猫格)形成に大いに影響する
という現実をまざまざと見せつけられる作品とも言えます。
それはあたかもヤクザの半生記のようです。
なんだかとても不幸な生き方にしか見えないのですが、
そういう生き方しかできない根拠が、
彼の少ない「猫生」経験にあるのです。
そんな「ヒューマンドラマ」を分かりやすい英語で、
しかもたかだか5000字程度で余すことなく描写できているという点で、
優れた作品と言えます。
ほんと、いろんな事を考えさせられる作品でした。
(´・ω・`)
YL3点台半ば? 総文字数5,220