
多読
Emil and the Detectives
映画化もされている小説のリトールド版です。
あらすじ(ネタバレあり)
Emil少年が人生初のひとり旅。
お母さんからは70ポンドもの大金を託され、
祖母にそのうちの60ポンドを渡すように言づけられています。
小さい子供にとっては、かなりドキドキするシチュエーションです。
事実、泥棒っぽい人が汽車に乗っていないか警戒していますし、
ポケットに入れたお金のことを常に意識して、
お札にピンを通してポケットに止める念の入りようです。
pinとしか書いてないのですが、きっと安全ピンのようなものでしょう。
それなのに、なぜか汽車の中で居眠りをしてしまいます。

居眠りから目覚めたEmilはお金を盗まれていることに気づきました。
だから言わんこっちゃない。
そこで真っ先に容疑者として頭に浮かんだのは、
同席していた黒い帽子の男です。
彼には汽車に乗ってすぐに話しかけられたのですが、
その内容は意味不明なことばかりでした。
これからEmilが行こうとしている街のことについて、
高さ六百メートルのビルが幾つもあるとか、
(1920年代に東京スカイツリーに匹敵する高層建築などあり得ません。ウィキペディアによると、当時の最高層建築はアメリカのウールワースビルで、241メートルでした。)
郵便局に行って箱に詰めてもらえば、
郵便として行きたいところに行けるとか、
もしお金が必要なら、
キミの頭を銀行に預けると五〇ポンド借りられるよとか・・・。
その話を聞かされたとき、Emilは「この人、変!」って思います。
実際、向かいの席に座っていた鼻の大きいおじさんが
「変なことを教えるな!」と黒い帽子の男をたしなめています。
その時の第一印象を根拠に、
Emilはその黒帽子の男を尾行し始めます。
路面電車に乗り、その後喫茶店に入った男性を監視するEmilに、
町の少年Paulが声をかけてきました。
Emilは事情をPaulに話すと、
興味を持ったPaulはわずかな時間で20人程度の少年を引き連れてきて、
一大探偵団が結成されます。
その中のCaptainという男の子が現場を率いて、いろんな手を打ちます。
そんな中、Emilは警察に被害を届けることをためらい続けます。
それは、彼は地元にある銅像の鼻に赤いペンキを塗るというイタズラをしていて、
お巡りさんに目を付けられていると自覚しているからです。
スリ被害を名乗り出て、
逆にイタズラ犯人として刑務所に入れられることを本気で恐れているのです。


それは読んでからのお楽しみです。
先が気になる展開でどんどん読み進めることができます。
総文字数13,158 YL3.5