
皆さんこんにちは。
ご無沙汰しております。
今日もまた本の紹介をしますね。
村上世彰さんの「最初で最後の著書」
この本、ホントオススメですよ。ぐいぐい引きつけられるあまり、二周も読んでしまいました。(^o^)
東京スタイル、ニッポン放送とフジテレビ、阪神鉄道といった、著者自らが手がけた投資案件を引き合いに出して、上場のメリットデメリットやコーポレートガバナンス、そしてそれが浸透することで得られる日本経済にとっての果実について、わかりやすく書かれています。
その臨場感に溢れ、それでいて平易な筆致は、学者が書いた経済本、投資本とは一味も二味も違う、良質なドキュメンタリーの趣きさえ感じられました。
株式投資も会社経営も縁のないわたしのような人間でも、筆者の考えについては大いに共感させられましたよ。
(^o^)
当時を生きていた社会人はもとより、次世代を担う高校生や大学生にも是非読んでもらいたいですね。
うちの娘にも是非・・・読むかなぁ
(^_^;)
惜しむらくはこの本がいわゆる村上ファンドの絶頂期の前に出ていなかったこと
いわゆる「村上ファンド事件」当時、猛威をふるっていた「よくわからないけどきっと悪どい事をして金儲けをしているんだろう」といった「空気」。
本書を読むと、それがいかに「レッテル貼り」だったかがよくわかることからも、残念でなりません。
とは言え、著者が本書の中で告白している通り、「コミュニケーション方法が拙い」せいで、自らの考えをじっくりと世の中に浸透させようという悠長なことに、当時は価値を見出せなかったのかもしれませんね。
しかも当時は今よりもメディアの力が強かった。
Amazonなどで公開される個人による書評もなかったですし、SNSもmixiの黎明期で、今と比べれば無いも同然。
メディアが自らを投資対象にされた意趣返しもあってか、集団リンチまがいの風潮の中で仮に本書を出版したとしても、黙殺されるのが落ちだったような気もします。
そういう意味では臥薪嘗胆、今だからこそ出るべくして出た本とも言えましょう。
この本が「失われた10年」ならぬ「取り戻す10年」の呼び水になること願ってやみません。